稲刈り最中_2015年9月2015年09月20日


稲刈り大型機械

 2015年9月、当地でも稲刈が行われています。
県道を走っていても、この大きな機械をよく目にします。
形態からみて、稲刈から脱穀までいっきにしてしまうのでは、と思われます。
 そこで、こに機械の持ち主に、米作り全般についても含めてインタビューしました。

まず、1反(約300坪)あたりの収量は?
 -たんぼの条件によるが、だいたい8俵前後(1俵=60キロ、玄米で480キロ)。
機械なしで田植え、稲刈する場合の田んぼの面積の限度は?
 -5反くらいまでならできる。田植えのときには手伝いの人出が必要になるけど。
機械のローン、苗の育成、肥料などの費用を考えれば、米は買った方が安くつくと思うけど?機械が故障すれば修理費が数十万円でしょ?
 -田んぼを休ますわけにはいかないので、作っている。

 今年の場合、稲刈り直前の雨天の連続で稲が倒れてしまい、機械の能力が発揮できず、手刈りとなった。田んぼもぬかるみ、機械の搬入ができない日が続いた。なおかつ、当事者はサラリーマンだから刈り入れの時間確保が制限される。
 このように、米作りは、かずある難関をクリアーしなければ成功しないようです。

 
 自分の家族が食べるぶんの米はは自分で作りたいと思って、なんとか田んぼを確保しても(農地法のしばりがあるので簡単ではない。)、水の確保がむずかしいことが多い。
 現実的には、水の確保ができている田んぼを使わせてもらうということになると思う。
 ただ、この場合、田んぼの所有者から、返してほしいと言われれば返さなければならない。
 本当に必要となるときには米が作れないことになる可能性がある。

 パン、麺類なども食べる現在、米の消費量は自分の体重分が1年の消費量らしい。1日3食米を食べるとすれば、1人あたり年間100キロとして4人家族で400キロ。必要な田んぼは1反で可能。
 不作の年を考慮すれば、少なくとも1年分くらいは常に予備として確保しておく必要もある。

 ■サラリーマン家庭から当地の農家に嫁入りした知り合いが、「毎年おいしい新米が食べれると楽しみだったけど、来てみたら新米の収穫後はまず、去年の古米を消費せねばならず、古米を食べ終わったころは、すでに新米が古米になっている。嫁に来て25年、新米を食べたことない!」と嘆いていました。
 そこまでしなくても、収穫した新米に古米を混ぜて食べている、という知り合いもいます。

 湧き水など水が確保できる雑種地、山林を購入して、田んぼに開墾するのが正攻法か。
この場合の開墾費用は不明だけど、かなりの手間と費用を要するだろう。
 あるいは、米をあきらめ、主食となりえるジャガイモを栽培するか。

 何年か前いまごろ、昔の尾根の路を探検中、道に迷い山の反対側の集落に下りてしまった。みちばたに腰をおろして収穫後の田んぼを眺めているおじいさんが、「なんとか今年も収穫が終わったよ。これで、子供のとこにも米を送れそうだ。ホッとしたよ。」と言ってました。そのホッとしたおじいさんの顔を見ながら、2000年以上続く米作りと人との関わりの強さを実感しました。