千倉レポート 生物編1 -ブログ版2014年09月01日


 南房総は千倉の奥地へ住み始めて、やはりここは山里だからヘビもいるだろうな、とは思ってました。ヘビは、それまで住んでいた東京の多摩地区にもいたし、オレの小さいときには港区の雑木林にもいたのを見たこともある。 
 今はもういない父なんかは、家の前の道にいたのを捕まえて、皮をはいでいたな。なんてったって、父は毒蛇ハブで有名な徳之島の生まれだから、ヘビには慣れていたようだった。そのあと、焼いていたような記憶もある。


 多摩人必読のバイブル、司馬遼太郎の「燃えよ剣」は、府中にある大國魂神社のくらやみ祭りにマムシよけの竹棒をもって土方歳三が遊びに行くところから始まる。(下の写真は、その府中市内で2006年撮影した。)何度か初詣に行ったことのある埼玉県の高麗神社にも、マムシに注意の看板があった。


 若い頃、父と島に帰省すると、いとこから「道のまん中を歩いたほうがいいよ」とか「このあいだ、そこの木の枝にいたよ」とか、脅された。でも、島生まれのおばさんは、生まれてから3回しか見たことないとか言ってくれたので、少し安心したもんだった。

 マムシに噛まれたことはまだないが、紫色に変色し倍くらいに腫れるらしい。呼吸器系付近を噛まれると、気道を圧迫して呼吸困難になると聞いた。
聞いた話なので本当かどうかは定かではないが、いずれにしても噛まれないほうがよい。

 昔の、夏休み「こども電話相談室」で、「なんでヘビは長いんですか?」という小学生からの質問があったが、それ以前に、ヘビは怖い。形が怖くて気持ち悪い。
 ここにはどんな種類のヘビがいるんだろう?

 なんでも知ってる隣家のおじいさんに聞くと、マムシ、ヤマカガシ、シマヘビ、アオダイショウなどがいるとのこと。
 なに! マムシ! やっぱりいるんだ。マムシはどこにいるのか聞きました。橋の横の道を入って100メートル行った湿ったところ、エッ! この間、東京在住の友達が来た時に山里の素晴らしさを見せようと案内した場所だ!
 
 それ以来冬眠中、冬であろうがそこには近づかないことにしている。そして、マムシはそこにしかいない、と思っていた。違った。千倉の町へ行く途中の道で、よく車に轢かれている、と教えてくれた人がいた。

  たしかに、オレも数回そこで轢かれたヘビを見ていた。あれは、マムシだったのか! あの場所は、奥の沢からの細い川が合流するところだ。やはり、ヘビの通り道があるようだ。そういえば、島のいとこは「私は毎日、ポストに新聞を取りに行くときハブさんと挨拶を交わす」と言っていた。
【考察】道路でヘビがよく轢かれている理由は、日中暖められたアスファルト道路が夜でも冷えず、ヘビたちにとっては居心地がいいのではないか。

道路で轢かれたヤマカガシ



 大事なことは、まだよく観察していないマムシがどんな色と形をしているかを知り、近づかないようにすることなので、インターネットでマムシの写真を嫁さんともども観察し、その特徴を把握した。よく見ると本当に模様が「丸書いてちょん」なのだけど、瞬間的にみると、白っぽい帯状に見えるはず。

 それに、ヤマカガシも噛まれると危ないそうだ。これは、顔の下あたりがオレンジ色っぽくてすぐ分かる。こいつは、すでに我が家に現れていた。屋外に置いてある洗濯機の後ろで、とぐろを巻いていた。
 まだ、家の中では目撃されていない。というのは、少なくとも同じ集落の3軒では家の中にいるのを目撃されている。1軒では、ツバメの巣を狙っていたとのこと。
 多くの家が茅葺きだった数十年前は、ネズミを追ったヘビが屋根から部屋へ落ちてくることもあったそうです。
 去年も隣家では、外から進入したヘビが仏壇の後ろに逃げ込み、大捕物騒ぎとなりました。

 ここの山と郷を知り尽くしている隣家のおじいさんもヘビは嫌いだそうだ。ここの人はよく草刈をするけど、ある場所だけ刈り残しているのでわけを訊くと、神様のヘビが住んでるところだという。
 ちょうど、高さ3メートルくらいの擁壁があり、そのすき間に住んでいるとのこと。そこで、どんなヘビが神様なのかと訊いたら、黒くて、太さは直径7から8センチ、長さは1メートルないという。それ、もしかして「つちのこ」じゃない?

 実際はヤマカガシの変種じゃないかと考えていたのだが、昨日、庭で変わった生きものを見た。長さが40センチくらい、黒っぽい、顔はヘビ、尻尾は細くなっている。最初見た瞬間、トカゲだと思った。というのは動きが直線的だったから。ヘビの動き方とは全然違う。草に隠れていてよくは見れなかったが、ヘビ神様の子どもか孫なのか?
 後日、隣の家のおじいさんに話したら、まっすぐ進むのはマムシと言われた。!。

ところで、「マムシ」の当地での呼称ですが、「クッチャメ」といいます。ちなみに、当地に隣接して房総半島南端に位置する白浜の人に聞いたら、「マムシはマムシ」と言われました。「グッサメ」とか「クーチャン」とかいうのだろうと勝手に想像してたので、からかわれているのだと思い、別の、生まれも育ちも白浜、という人に聞いたら、「マムシ」は「マムシ」との返答。どうも、クッチャメとは呼ばないようです。館山の町の人に聞いても「マムシ」は「マムシ」だそうです。御宿あたりでは当地と同じく「クッチャメ」というそうです。
また、滋養強壮に「まむし酒」を作る家は意外に多いです。隣の集落のおばさんは、マムシを捕まえるところから、完成までを身振り手振りで教えてくれました。あまりのリアルな説明に見とれてしまい、大事な手順は頭に入りませんでした。
★「マムシ」には特有なにおいがあるそうです。においに敏感な人は、姿が見えなくとも近くに「マムシ」がいる、とわかるそうです。
稲刈りの終わったあとの麦藁を円筒形にまとめておいて、牛のえさとかにするのですが、この下部は発酵して温度が上がるので、ここにヘビたちが集まってくることがあるようです。
私が当地で怖いのは、「クッチャメ」と「ツツガムシ」です。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック