たまむし色2016年05月10日

 2016年4月、倉庫も兼ねる温室の扉をあけると、ばさばさと音をたてているトンボを見つけました。
 たまむし色に光るトンボです。
 入ったまま出られずにいて、かなり弱っていました。簡単に捕まえることができました。


 人生で初めて見るトンボです。
小さい頃は、近くに用水池のようなのがあり、むぎわら、しおから、名前がわからないイトトンボ、おにやんま、ぎんやんまが飛んでいるのをみることができました。イトトンボや大きなトンボは数が少なく貴重でした。


この池は一辺6~7mくらいで、中央に島のようにコンクリート柱2本くらいが頭をだしていました。小学高学年だったおじは、この池に落ちて大騒ぎになったことがありました。
 駄菓子屋で「水爆」という、水の中でも消えない「2B」を投げ込んで遊んだのもこの池でした。

また、家の近くに、コンクリートを敷いたような広場があり、わたしたちガキのたまり場でした。両方とも、戦時中の陸軍の施設だったものと思われます。
 このあたりで地中の焼夷弾を見つけたこともあります。
 大人の背の高さくらいの鉄の棒をあたりかまわず地中に挿しながら歩いてる人がいました。たぶん、不発弾など金属を見つけて売るためだったと思います。

ついでに、当時は水洗トイレなどというものは一般家庭にはなく、「おわんや」と呼んでいた人が、便壷からくみ取って樽に入れ、それを天秤棒でかついで歩いていました。私たちガキどもは、どこに運んでいくのか知りたくて、あとをくっついていったものです。

もうひとつ、赤坂のTBSができたばかしのころ、どういうルートでの情報なのか、TBSのゴミ箱に映画のフィルムが捨ててあるという。歩いて30分ほどだったと思うが、見事ゴミ箱から捨てられたフィルムをゲットしました。

 このあたりは、大きなお屋敷があるとこで、ある日、竹でっぽうに最適な竹があるとの情報。わたしたちガキ連中は、大将のゆきおちゃんについていきました。垣根の下から潜り込んで竹林からみごと、もうしぶんのない竹を必要なだけ持って帰りました。

 この竹でっぽうの玉としては、ヤツデの実がよく、近所の家のをむしりとってポケットに満杯に入れて走りまわりました。

青山墓地では、戦争ごっこです。敵は学区がちがう隣町の連中だったような記憶。
ふだんはつきあいがないので、きっと、隣町との境あたりに住んでる仲間がセッティングしたはずです。あそこは赤土が多くて、これのブロックが爆弾代わりで、墓石に正面から当たると、ボコッと音がして砕けます。墓石は、盾の代わりです。
 しかし、本当の敵は「たぬきおやじ」と呼んでる近くのお寺のおじさんでした。見つかるとたいへんなことになるとのことでした。見たことも、見つかった記憶もありませんが。

 上空のセスナ機から、大量の広告ビラが撒かれます。ビラが落ちるあたりの見当をつけてわれわれガキはいっせいに走り出します。かなり楽しい遊びでした。ビラを見つけたのが青山墓地だったことがあります。

そのほか、弁慶橋でのザリガニ釣り、市ヶ谷の釣り堀から台風で魚が逃げたとの情報で捕まえに行ったこと。乃木坂の向こうの幼稚園に通うとき、乃木神社のとこで、車に轢かれないように、すれすれで走って道路を渡るとか。このときは、神社の前の交番に親が呼び出しを受けました。この縁で、私の結婚式場は乃木神社でした。

小学校時代、同級生の女の子がもってきた、金平糖の形の草の実。投げるとセーターにくっつくやつです。これを投げ合って、たくさんくっついたほうが負けという遊びがはやりました。クラスは50人くらいでしたが、この金平糖がある場所を知っているのは彼女だけ。この弾はすべて彼女が供給してたのです。これが欲しくて欲しくて、話したこともない彼女に近づき、その場所に案内してもらいました。広い原っぱの道際にあるのを見たときのうれしさは今でもおぼえています。青山北町です。

キツネノボタン1

 千倉の田んぼの畦にある、「キツネノボタン」です。投げつけて遊んだ「金平糖」ではありません。似ているので、つい写真を撮ってしまいました。花には光沢があり、けっこう惹かれます。
 投げて遊んだ「金平糖」の名は、ネットで調べてわかりました。「オナモミ」です。

キツネノボタン3

 小さいときを今思い出して楽しいことは、やっぱり家のなかでなく、友達との外での遊びですね。

 これらは小学生までの経験(港区)で、中学生のころは、秋、下校の時、赤とんぼの集団を目撃してます。多摩地区、当時の国分寺町です。
 ちなみに、当時の住所、「東京都北多摩郡国分寺町野中新田六左衛門組高木北側」というのは、当時日本で一番長い住所名でした。小学6年の時に引っ越してきたときは、あたりいちめん麦畑でした。
 ちょうど今頃の季節、上空高いとこで、ピーチクパーチクとヒバリの声がします。「すかいらーく1号店」は国分寺市にあると聞いてます。

 この頃から、トンボには好感をもっていて、今もトンボは好きです。ただ、ぱたぱた飛ぶ種類はだめで、すいすい飛ぶのがいいです。
 さっきも、外を歩いていたら私の頭に瞬間停まってから、周りをぐるぐる回って完全に遊ばれてしまいました。

 当地千倉では、今も、イトトンボ、大型トンボもよく見ます。もちろん中型もです。
当地に建設予定だった巨大ゴミ処理施設が、本年春、計画中止となりました。
 これで、人間もトンボたちも以前と変わらぬ空気を吸うことができます。集落内を貫通するグリーンラインでの休日のバリバリバイクなど、可愛いものです。

 当地での田植えは、ほぼ終わったようです。この季節、山が緑の錦となり、とてもいいものです。目にやさしい気がします。

千倉大貫

 以前にもレポートした「タマムシ」。朝、外に置いてある洗濯機の上にいました。同じ玉虫色ということで。


 まったく役にたたないリポートですが、「遺言代わりの雑記帳」ということで。